メバルの下処理|煮付けのための飾り包丁とエラの抜き方
メバルは煮付けにすると際立つ魚だ。身は淡白で締まり、皮に旨味がある。姿のまま煮ることが多いので、下処理も「頭を残したまま、いかにきれいに中身を抜くか」が中心になる。
棘に注意する
メバルは背びれ・腹びれ・尻びれ・エラ蓋に棘がある。カサゴほど太くはないが、細いぶん刺さりやすい。
掴むときは下あごを持つか、背びれを寝かせて背中側から包み込むように持つ。エラ蓋に指を入れない。
煮付けにするなら背びれは残すことが多いので、無理に切り落とさなくてよい。ただし調理中と食べるときに刺さらないよう、家族に伝えておく。
根魚の棘の扱いはカサゴの下処理に図解つきでまとめてある。
鮮度は目で分かる
メバルは「目を張る」から来た名前と言われるほど目が大きい。この目が鮮度の指標になる。
- 目が澄んで盛り上がっている:新しい
- 目が白く濁り、へこんでいる:時間が経っている
- エラが鮮紅色:新しい。褐色になっていたら古い
- 体表にぬめりがあり、張りがある:新しい
釣った直後は当然どれも新しいが、持ち帰りの温度管理を外すと数時間で目が濁る。潮氷で冷やす意味はここにも出る。持ち帰り方は釣った魚の持ち帰り方にまとめてある。
手順1:ウロコを取る
メバルのウロコは中くらいの大きさで、比較的落としやすい。ウロコ取りか包丁の背で、尾から頭へ向かって落とす。
姿煮にするなら、頭の周りとヒレの根元まで丁寧に。皮ごと食べる料理なので、取り残しは口に残る。
流水を当てながらやると飛び散らない。
手順2:エラと内臓を抜く(壺抜き)
姿のまま煮るときは、腹を大きく開かずに中身を抜く。これを壺抜きという。腹が裂けないので煮崩れしにくく、見た目もよい。
- エラ蓋を持ち上げ、エラの上下の付け根を包丁の先で切り離す。
- 菜箸を2本、口から入れる。1本はエラの内側、もう1本はエラ蓋側から差し込む。
- 2本の箸でエラを挟み、そのまま内臓ごとゆっくりねじりながら引き出す。
- 肛門に浅く切り込みを入れておくと、内臓が切れずに抜けやすい。
うまく抜けないときは無理をせず、腹を肛門から胸びれの手前まで小さく切り開いて出す。煮付けなら多少の切り口は気にならない。
内臓が途中で切れると腹の中に残る。残ると苦味と臭みが出るので、切れたら指や箸で確実にかき出す。
手順3:血合いを落とす
背骨に沿った血合いは、腹の中の奥に張り付いている。壺抜きでは手が入りにくいので、細い菜箸か歯ブラシを使う。
- 流水を腹の中に通す。
- 歯ブラシか箸の先で、背骨に沿って血合いをこすり落とす。
- 水が濁らなくなるまで繰り返す。
- 腹の中まで水気を拭き取る。
ここを省くと、どれだけ丁寧に煮ても汁が濁って生臭くなる。メバルの下処理で最も味に効く工程がここだ。
手順4:飾り包丁を入れる
姿煮にするときは、身の厚い部分に切り込みを入れる。理由は2つある。
- 火の通りを均一にする(中心まで熱が入る)
- 煮汁の味を身に入れる
入れ方は、体の中央に斜めの切り込みを1〜2本。深さは中骨に当たる手前まで。両面に入れる。
深く入れすぎると身が割れて煮崩れる。皮と身の厚みの半分程度で止める。
料理別の使い分け
- 煮付け:定番。壺抜き+飾り包丁。頭ごと煮て頬肉まで食べる
- 唐揚げ:小型ならまるごと。二度揚げすると骨まで食べられる
- 塩焼き:頭付きのまま。ヒレに化粧塩をすると焦げない
- 味噌汁・潮汁:アラから濃い出汁が出る
- 刺身:25cm以上の良型なら。身が締まって甘みがある
20cm前後がよく釣れるサイズで、これは煮付けか唐揚げが向く。三枚におろすには小さいので、姿のまま調理するほうが歩留まりもいい。
メバルのレシピはメバルのページにまとめてある。
保存
- 当日〜翌日:下処理して水気を拭き、ラップで包み冷蔵
- 数日以上:下処理後に1尾ずつラップ+保存袋で冷凍(3〜4週間)
白身で傷みにくいほうだが、内臓を抜いていない状態では話が別になる。釣った日に壺抜きまで済ませておくと、あとが楽だ。
冷凍の詳細は釣った魚の冷凍と保存を参照してほしい。