ニジマスの下処理|ぬめりの落とし方と小骨の扱い
管理釣り場で釣れるニジマスは、下処理そのものは簡単な部類に入る。ウロコは細かく、骨は柔らかく、内臓もまとまって取れる。押さえるべきは体表のぬめりと、腹の中の血合い。この2つが臭みのほぼすべてを決める。
ぬめりが臭みの正体
ニジマスに「泥臭い」「川魚の臭いがする」という印象を持つ人は多いが、その原因の大半は体表のぬめりだ。身そのものは淡白で癖がない。
つまり、ぬめりさえきちんと落とせば臭みはほとんど気にならなくなる。焼く前にどれだけ丁寧に洗ったかが、そのまま仕上がりに出る。
- 全体に粗塩をふり、手でこすり洗いする。
- ぬめりが白く浮いてきたら、流水で洗い流す。
- ざらつきが残っていたらもう一度繰り返す。
塩を使うのは、ぬめりのたんぱく質を固めて落としやすくするためだ。水で流すだけでは取り切れない。
手順1:ウロコを取る
ニジマスのウロコは細かく薄いので、意識しないと見落とす。ただし焼くと口に残るので、軽く落としておく。
包丁の背かウロコ取りで、尾から頭へ向かって軽く撫でる。力は要らない。
背びれの際、腹びれの根元、頭の後ろが残りやすい。
手順2:エラと内臓を出す
塩焼きにするなら頭は落とさない。頭を残したまま、エラと内臓を抜く。
- エラ蓋を持ち上げ、エラの上下の付け根を切り離して引き抜く。
- 肛門から胸びれの手前まで、腹を切り開く。
- 内臓を指でつまんで引き出す。ニジマスの内臓はまとまって取れる。
- 背骨に沿った黒い血合いを、指の腹か爪でこすり落とす。
血合いは膜に包まれていて、水で流すだけでは落ちない。指か爪、あるいは歯ブラシでこそげ取る。ここが残ると焼いたときに苦味と臭みが出る。
唐揚げやムニエルにするなら頭を落としてもいい。胸びれの後ろから斜めに包丁を入れる。
手順3:洗って水気を拭く
腹の中を流水でよく洗う。血合いの残りがないか、指で確かめる。
洗ったあと長く水に浸けない。淡水魚を真水に浸けておくと身が水を吸って水っぽくなる。
キッチンペーパーで表面と腹の中の水気を徹底的に拭き取る。ここを省くと、焼いても揚げても仕上がりがぼやける。
釣り場から自宅までの持ち帰り方は管理釣り場の魚の持ち帰り方にまとめてある。淡水魚は潮氷が使えないので、海の魚とは扱いが変わる。
料理別の下ごしらえ
- 塩焼き:頭付きのまま。焼く20〜30分前に塩をふって水気を拭くと身が締まる。ヒレに化粧塩をすると焦げない
- ムニエル:三枚おろしか、腹開き。水気を拭いて小麦粉をまぶす
- ホイル焼き:頭付き、または頭を落として。腹に香草やきのこを詰める
- 唐揚げ:頭を落として二等分か、小型ならそのまま。骨まで食べられる
- 南蛮漬け:頭を落として素揚げ。二度揚げすると骨ごといける
- 燻製:三枚おろしか腹開きで、塩水に漬けてから乾かす
ニジマスは骨が柔らかいので、20〜25cmの個体なら三枚におろさずそのまま調理できる料理が多い。手間をかけずに済むのが管理釣り場の魚の良さでもある。
燻製にする場合の塩水の作り方は、干物の作り方の立て塩の項が参考になる。
小骨の扱い
ニジマスには血合い骨(小骨)があるが、細くて柔らかい。
- 塩焼き・唐揚げ:気にしなくてよい。焼けば箸で外せる
- ムニエル・ホイル焼き:食べるときに背骨ごと外せば小骨も一緒に取れる
- 刺身にはしないので、骨抜きで一本ずつ抜く必要はほとんどない
焼き魚を骨ごときれいに食べるには、背骨に沿って箸で身を開き、頭側から背骨を持ち上げる。ニジマスは骨と身が離れやすいので、この方法がよく効く。
生では食べない
釣り場のニジマスを刺身で食べるのは避ける。淡水魚には、海水魚のアニサキスとは別の寄生虫のリスクがある。
サケ・マス類には日本海裂頭条虫が、淡水魚全般には顎口虫や横川吸虫が寄生することがある。市販の生食用サーモンが生で流通しているのは、生食を前提とした管理と冷凍処理を経ているからで、釣り場の魚がそれと同じ状態にあるわけではない。
加熱すれば問題ないので、塩焼き・ムニエル・ホイル焼き・唐揚げのいずれかにする。ニジマスは淡白なので、加熱料理でも十分に美味しい。
詳しくは管理釣り場の魚の持ち帰り方にまとめてある。
保存
- 当日:下処理して水気を拭き、ラップで包み冷蔵
- 翌日まで:同上。淡水魚は身が柔らかいので早めに食べる
- 数日以上:内臓を抜いて水気を拭き、1尾ずつラップ+保存袋で冷凍(3〜4週間)
数が釣れたときは、その日のうちに全部下処理してから冷凍するのがいちばん失敗しない。内臓を残したまま冷凍すると、解凍後に臭みが回る。
ニジマスのレシピはニジマスのページ、冷凍の詳細は釣った魚の冷凍と保存にまとめてある。